警察では、柔道、剣道、合気道(基本女性)を必修でやらなければならず、退職するまで付き纏います。
私にとって、術科は警察大変ランキングベスト3に入る位でした。
それは何故か??
術科単位というものがあるからです。
術科単位とは、年間どれだけ参加しなければならないという、指標みたいなもので、ひと昔は、この指標をクリアーしていないと、給料や階級が上がらなかったりしていました。(今はそんなこと無いみたいですが)
この単位は、朝練(午前7時20分~午前8時00分)or夕練(午後4時30分~午後5時00分)に参加することで取得できるのですが、基本朝練が主流になります。
だいたい、月に3回くらい参加すれば、単位が足りるのですが、その「3回」が非常に憂鬱なんです。
理由としては、
早起きしなければならないことや、疲れること等
また、術科が大変な理由は他にもあるため、本日は、柔剣道有段者がなぜ警察で優遇されているかを書きます。
覚えることが少なくて済む
警察学校に入ると、剣道or柔道どちらを選択するか決めなければなりません。
私はというと

体力的に剣道の方が楽でしょ
といった利用で剣道を選択しました。
(高校の時、1年間柔道をやっていたため、大変さが分かっていたので)
しかし、袴の履き方、面タオルの付け方、防具の付け方等を覚えるのに四苦八苦しました。
やっと防具の着装に慣れると、今度は剣道の礼法を覚えたり、竹刀の打ち方や、動作を覚えたりと、ただでさえ他に覚えることが多い環境なのに、さらに覚えることが増えます。
そういった負担が無い有段者の方は、圧倒的有利になります。
有段者は、特練で重宝される
特練?なんだそれは??
と思う方もいると思いますが、読んで字の如く
特別に訓練すること
を指します。
警視庁では、年に約2回、警視庁の柔剣道の強い奴ら(ルーキー枠も有り)を集めた天下一武道会みたいな行事があります。
各署属のチーム戦なんですが、これに勝つために、数か月前から練習を始めるチームもあります。
この、「練習」ですが、基本大会が始まる1ヵ月位前から、仕事をしながら柔剣道の練習するのですが、休日も練習+午前中~夜勤が始まる直前まで練習をするため、かなりのハードワークになります。
その後、大会が始まる2週間位前になると、勤務免除でただひたすら朝から晩まで柔剣道をやる日々になります。(この間も基本休日は無し)
この、「ひたすら」が初心者にとって本当に大変で、
有段者にボコボコにやられても、ひたすら立ち上がって向かっていかなければならないのです。

これ、有段者にとっては圧倒的有利だよなぁ
ただ、この特練制度は、1点良い点があります。
それは、署内のあらゆる課や、階級の垣根を超えるため、親睦が深まるという点です。
内勤(刑事課、生活安全課、交通課等)に入るためには、過去の経歴や、自分の顔を広く売り込まなければ、入ることが出来ないのです。
しかし、特練に入ると、めちゃくちゃ顔と名前を覚えられます。
私の先輩は、仕事はそこまで出来る方ではありませんでしたが、特練で名前と顔、人柄を売り込み、内勤に引き抜かれてました。
ここまで話すと、有段者にはメリットしか無い風に見えますが、一つデメリットもあります。
デメリット
有段者が初心者に次々稽古を挑まれる
初心者は、
とにかく有段者or幹部や先輩に相手をしてもらえ
と指導されます。
この指導のため、朝練で万が一にも有段者よりも初心者が圧倒的に多い状況になると、休む暇なく
「すいません、相手お願いします」
と言われ続けます。
こういった状況になると、

有段者さん、すいません
という気持になります。
最後に
柔剣道が有段者で、尚且つ強ければ、誰もが一目置いてくれる会社(警察)です。
私の同期でも、
柔剣道が好きで仕事に生かしたい
という理由で入った人もいました。
さらに、署内で柔剣道を教える先生(助教)になれば、仕事は署員の術科の指導や、少年柔剣道(管内の小学生までを対象とした稽古)の仕事だけになるため、かなり楽な仕事が出来ます。
柔剣道好きのための道しるべになってくれれば幸いです。
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