令和3年11月26日から、警視庁の募集が始まりました。
これから警視庁を受験しようとする方、迷っている方に向けて、リアルな体験を書きたいと思います。
今回は警察学校を卒業して、卒業配置した後、警察寮での体験談です。
警察署には、寮があり、この寮には警察学校を卒業した若手が、先輩警察官に、仕事内容や警察組織のルール等の指導を受けます。
寮生活の長所
同じ境遇の仲間が近くにいるため、不安や、孤独を感じない。
仕事で何か分からないことがあっても、直ぐに質問できる。
先輩との人間関係が出来るため、同じ係(チーム)じゃなくても、フォローをしてくれる。
署から近い場所にあるため、遅刻する心配がない。
寮費が1万~3万くらいの低予算で衣食住が補償されている(土、日は基本寮の食事がありません。)
寮生活の短所
門限がある(場所によって異なりますが、基本は23時30分くらいまで)
ほとんどが先輩と相部屋なため、プライベートは、先輩が夜勤でいない時や、帰省している時くらい。
管内で事件があると、休みでも出勤しないといけない。
外泊するのに許可(決裁)が必要。
リアルな寮体験
最初の1年は、時間があれば漫画喫茶で過ごしていました 笑。
寮では、常に誰かといるため、一人になれる時間が貴重だったのです。(当時3人部屋だったので)
ですが、2年目くらいになると、自分も先輩になるわけで、ある程度の自由と余裕が生まれ、寮で過ごすことも苦じゃなくなってきました。
何が苦だったの?
まず、掃除(署の道場)が大変で、次にトイレットペーパーの補充や、共同スぺースにあるゴミ箱の袋を変えたり、朝のゴミ出しでした。
これらは、1年未満の若手がやらないと、誰もやらないからです。
仮に、優しい先輩が気を回してやっているところを、他の先輩が目撃すると、後で物凄い気合(怒られる)を受けます。
次に、門限ですが、門限を破ったり、無断で外泊していることがバレると、問題を起こした寮員が所属する係(チーム)が、外出禁止になったりすることもため、職場の雰囲気が悪くなります。
この職場の雰囲気ですが、交番勤務の警察官の半分くらいは若手のため、若手の士気が高くなければ、係としての力が下がります。
ちなみに、当時21歳くらいの高卒の先輩が、新宿で夜遊びを覚えてしまい、先輩のお供で、トグロを巻いたような髪のママさんがいるスナックで飲み明かしたり、深夜のクラブで遊んだりしていました。
夜通し遊んで、朝帰りする時は、ドキドキハラハラで、先輩達と協力して、バレずに寮に忍び込んだりしていたのが、今となってはいい思い出です。
急な呼び出しで出勤する主な内容は、風水害(台風などで河川が増水した)や、子供が迷子になり、全然見つからない(この場合の呼び出しは、かなりの時間拘束されます)、重大な犯罪が起きた(ニュースになるような)等。
寮内では、飲酒しても大丈夫なので、もし飲酒していた場合、基本出勤は免除になります。
ただ、特段の理由が無いのに、とぼけて出なかったりすると、後でハンパない気合と、罰が下ります。
ここで話を少し変え、寮生活がしたくない人向けの話をします。
寮生活を回避するには
寮生活したくなければ、結婚すること。
他に寮生活しなくていいパターンは、
東京近郊在住に限られますが、自分の家庭状況が思わしくない(家族が病気、介護が必要、生活困窮等)
寮生活は、長い人だと5,6年になることがあります。
私の場合は、親父が重い病気になったため、2年で寮を出ました。
この
”寮を出る”
ということが、警察人生でめちゃくちゃ大きな山場の一つだと、思います。
寮を引っ越す日、今まで寮で過ごした楽しくも辛かった思い出が頭によぎり、胸に熱くこみ上げるものがありました。
そして、
俺は、これから自由だぁぁーーー
外泊し放題だぁぁー
と、心で雄たけびをあげました。
最後に
先輩は、厳しかったり、変わった人がいたりします。
だけど、多くの先輩は、優しくて面倒を見てくれる人が多いです。
それは、自分も若手の時、同じような経験をしてきていているから、面倒見もいいし、優しいのです。
警察学校を卒業した後の寮暮らしのイメージに繋がればと思います。
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