当ブログも、本日で丸1年が経過しました。
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引き続き、温かいご支援の程宜しくお願いします。
今回は、現職中に一般人の方から聞かれた質問の一つについて書きたいなと思います。
警察官にノルマはあるのか??
(1)グレーだがノルマぽいのはある
このノルマは毎月有り、主に職務質問での検挙と、交通取り締まりを指します。

ノルマが達成できなかったらどうなるの?給料が下がったりするのかな?
ノルマが達成できなかったからといって、給料が下がるなんてことはありません。
しかし、ノルマが達成できなかった場合、上司(課長、代理、係長)の判断で罰勤務があったりします。
この罰勤務では、休日に職質検挙or交通取り締まりをするために出勤することがあります。
ですが、罰勤務とはいっても、超過勤務扱い(残業代みたいなもの)にしてくれるため、給料が増えたり、または振替休日が貰えます。
(2)給料は基本下がらない
給料が下がらない理由としては、営業活動をしているわけでないので、悪い話、何もしなくても、税金からお金が入ってくるのです。
これでは、
給料泥棒
と呼ばれてしまいますので、流石に治安維持のために仕事をするわけですが、制服警察官が評価される活動について、次に話します。
制服の警察官が評価されるポイント
職務質問による検挙
警視庁では、毎年犯罪発生率と、それに対する検挙率という指標があります。
犯罪の発生よりも、検挙率が下がることの方が重大であり、検挙率が前年よりも下がることがないよう、霞が関からの圧力が掛かります。
その圧力を受け、署長が各部署の課長に圧力をかけ、さらに課長から係長、そして末端の兵隊(巡査部長以下)に圧力が掛けられます。
そうなると、

今年は、毎月〇件、職務質問で検挙しろ
との命令が下されます。
この、
職務質問で
というのが、大変難しく、あくまで自発的な行動で泥棒を捕まえたことしか評価されない点にあります。
(やりようによっては、110番通報や、一般人との協力で泥棒を捕まえても、職務質問での検挙にできる場合もあります。)
ちなみに、みなさんは

自転車の防犯登録を確認させてください
と、警察官の方に止められた経験がある方もいると思います。
何故、自転車を止めているかと言うと、犯罪発生率の70%が自転車盗を占めているからです。
自転車盗は、安易な上、犯罪をしている意識が薄いため、犯罪の入口としては敷居が低い。(この入口の事をゲートウェイと言います。)
しかし、こういった犯罪に手を染め、捕まらずにいると

自転車盗んでも余裕だったし、次は万引きでもやるか
みたいな考えになり
それがエスカレートしていくと
バイク盗、ひったくり、強盗、殺人などの重犯罪に繋がっていきます。
そのため、入口(ゲートウェイ)である自転車盗を捕まえることで、犯罪に対する認識を改めてもらうという意味で、自転車を止めています。

自分の自転車なのに止められて嫌だな・・
と思う方向けのアドバイスとして
前カゴやサドルがボロボロなら、新しいのに取り替える
タイヤの空気をしっかりと入れる
自転車の鍵をしっかりと付ける(馬蹄錠orワイヤー錠)
防犯登録をしていないのなら、ちゃんと行い、サドルの下ら辺に貼っておく
等、大切に自分の自転車を乗っていますよ!!
という、アピールをすることが大事です。
交通取締り
これについては、正直地域課員(交番のお巡りさん)にとっては、そこまで評価されません。
しかし、職務質問での検挙が無ければ、

一体お前は何の仕事をしていたんだ??
と係長に言われます。(これはマジで言ってきます)
そんなことを言われないために、

すいません、職質検挙はありませんでしたが、交通違反の取締りしました!!
みたいな、担保代わりの意味合いで切符を切ってました。
(この、仕方なく切っていたという認識が、私が切符を切ることが嫌になった理由)
元々切符を切るのは好きではなかったのですが、実際に交通事故の死亡現場に臨場したり、小さい子供が車に跳ねられた瞬間の動画を、職場の教養ビデオで見せられると

これは、やばいな。もう、嫌いとか言ってられない。交通事故を無くさないと・・
と、考えを改めるきっかけになり。それ以降は、取締りが苦ではなくなりました。
ちなみに、交通課員になれば、切符の本数がモノを言う世界になります。
市民からの感謝事例
110番の対応や、遺失拾得、その他警察官の取り扱が良いと、関係者の方から感謝のメッセージが署に届くことがあります。
特に、反響が大きいのは、警視庁本部(霞が関宛て)に感謝のメールや、電話で伝えることです。
そういった対応が事実であるのかを、取扱者に確かめ、事実であることが分かれば、署内では一躍有名になります。
私は、こういった経験はありませんでしたが、迷子の子供を保護し、親に引き渡した後日、迷子になった子供からメッセージカードを貰った時は、目頭が熱くなりました。
最後に
ノルマみたいなものがあるというのは変な話ですが、そうでもしないと、
仕事しなくてもいいや
と、思う人が出てくるのも事実です。
警察内部でも、
しっかりと仕事する人、全然やらない人
に分かれます。
私はどうだったかと言うと、
日本の治安と、市民の生活を守るため
なんて、大それた考えよりも、もっと身近な
後輩にダサい姿は見せられない
というスタンスで、しっかりと仕事してました。
以上は、あくまで主観的な意見です。
署員の中には、
日本の治安を守るんだ
と、熱き魂を持ってやっている人もいますので
今後、警察官を目指す方の参考になればと思います。
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