先月の話ですが、久々に自転車に乗っていたら、職務質問をされました。

お兄さん、ライト付けてくださいよ。
あと、申し訳ないけど、防犯登録確認させてね。

はい、どうぞ。ホテルのHです。(和文通話)

??分かりました。
若いお巡りさんが、一緒にいた先輩警察官に防犯登録番号を伝え、先輩が自転車の名義人を調べるアプリで確認していました。

ああ、懐かしいなぁー1年前Pフォン(ポリス電話)でよくたたいてたなぁー(たたくとは、調べるの意)
なかなか表示されなかったため、

あれ?出ませんか??
と言うと、調べていた先輩が

!?
ハッとした表情を見せたので

あ、やべぇ。多分同業者だと気付かれたな・・

あ、分かりました。どうぞ行ってください。
と、すんなりかえして貰いました。
何気ない言動でも、昔の癖が出てしまうなぁと反省しました。
今回は、自転車の職務質問での体験談について話します。
300人近く声を掛けて、やっと犯人を検挙した

自転車泥棒を捕まえるためには、どれだけ声を掛ければいいのだろう?
私の場合は、300人近く声を掛けて、初めて検挙しました。
300人ってすごいの??
私が知る中では、500人以上自転車を止め、職務質問をしているのに、結局捕まえることが出来なかったが、その頑張りが評価され、内勤(刑事課)に転属になった後輩がいました。
中には、人生初の職務質問で、いきなり検挙したといった話もあるため、一概に凄いとも、良くないとも言いきれないところです。
事件の経緯としては
私が捕まえた犯人は、公園に置かれていた自転車を、足代わりに使っていました。
この場合、二つの罪が考えられます。
1.公園に遊びに来た人が止めていた自転車を、勝手に乗り回した。(窃盗罪)
2.窃盗犯が、どこか違う場所に置いていた自転車を盗んだ後、公園に放置し、その自転車を、自己のために使っていた。(占有離脱物横領罪)
取り調べの結果、犯人は2に該当したため、被疑者の処分は微罪になりました。
この微罪とは、警察署注意みたいなものなので、犯罪歴にはなりません。
ただ、過去に同じような犯罪を冒し、一定期間経たないうちに、再度犯罪を犯した場合は、微罪処分ができなくなり、犯罪歴が残ります。
なぜ、私がこの自転車に声を掛けたかというと、
明らかに乗っていた人と、自転車の色が合っていなかったからです。
それは、自転車に乗っていたのが中年のおじさんで、自転車の色が「オレンジ」だったので、

はたして、この年齢の人がオレンジの自転車を好き好んで乗るのか??
と疑問に思ったため、正面からすれ違った後、すぐさま追いかけて、声を掛けたといった経緯です。
ちなみに、最初に検挙した後は、声を掛けて捕まえるまでの数が徐々に減っていき、最終的に平均100人くらい声を掛ければ捕まるかなっといった感じになりました。
自転車盗専門の職人
これは、私が卒業配置にいた人の話ですが、1ヶ月で自転車盗を平均4~5件捕まえる警察官がいました。

1ヶ月の職質検挙4~5件なんて凄すぎだろ!?
イチローかよ!打率パねーー
なんせ、私が初検挙した時など、4ヶ月近くかかりました。
そんな大先輩の警察官が、何故そこまで検挙していたかというと、ただひたすら管内を自転車で回り、職務質問をしていたからです。
この、ただひたすらに
というのが凄まじく、飯を食べる以外は、夜勤の休憩時間も寝ず、次の日の交代時間(約16時間)まで、自転車を漕いで職務質問をするという、まさにストイックな人でした。
その人は、
車の免許も無い、切符も切れない
なので、せめて自分の得意分野である職務質問に、全てを掛けていました。
全部じゃなくていい、一つできればそれで十分じゃ
ある漫画のセリフの引用ですが、まさに、一つに特化した男の仕事です。
なお、私の後輩がその人と一緒に仕事していましたが

こいたんさん、マジやばいっす。本当に一日中自転車漕いでますから。冗談抜きで超きっついです。
と、暗い顔でよく呟いていました。
最後に
今回は、自転車の職務質問の話をしましたが、職務質問をする警察官サイドで話をするならば、職務質問は得意な人もいれば、苦手な人もいます。
もし、今後警察官を目指す方がいて、職質はちょっと嫌だなぁと考えているならば、職務質問が旨い人と一緒にパトロールするか、
ある分野に特化した仕事を見つければ、問題ありません。
例えば、切符の知識と、切ることに関しては右に出る者はいない。
駐車の取り締まりについては、誰よりも詳しい。
外国語が話せるので、外人の通訳は任せてくれ等。
と言っても、

こんな能力ないよーー(私もそうです)
という方もいるので、そういった時は、
小さいことでいいので1番を目指す。
110番臨場が誰よりも早い、市民に対して誰よりも親切な対応ができる、喧嘩公論の仲裁が旨い、酔っぱらいの取り扱いがうまい、掃除が誰よりも綺麗等、何でもいいのです。
小さいことでも、意識して頑張っている姿勢が、仕事を続けていくためのモチベーションになります。
コメント